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貿易事務の様々なオファー -取引交渉-

みなさん、こんにちはふみです!

さてさて今日はオファーについて弊社のやり方を教えていきたいと思います😊 テストでは貿易実務の本に書いてあることを覚えるだけでOKですが、実際に取引先の相手とどのように取引交渉をしていくのか?をお話ししていきますね。実際にはどのような取引が行われているのか弊社の例でご説明致します😊 

 

貿易実務にでてくる貿易取引の流れ -オファーとは-

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市場調査➡︎取引先の発見➡︎取引交渉➡︎信用調査➡︎契約成立➡︎貿易取引の開始 

このような流れで取引は行われていきます。いつものやつですね😊その中の3番目である取引交渉の中の特にオファーについて今回は深掘りしていきます!

オファーとは・・・

売買契約締結に向けて具体的な条件を相手に示していくのがオファーである。売り手から行うのがselling offerで買手から行うのがbuying offer。

Ex)商品・数量・価格・納期・支払い条件 e.t.c...

勧誘活動や引き合いを経てようやくオファーにたどり着くのですが海外の海の向こうの人が相手ですからね、直接会っても言葉の壁にぶつかります。オファーは必ず慎重に行いましょう😊それでは早速、貿易実務では欠かせない4つのオファーを見ていきます。

 

1. ファーム・オファー (Firm Offer/確定申し込み)

はい、まずはこちらのファームオファーから!これは回答期限付きのオファーです。弊社でもかなり好条件で話が進んだ時や、取引があるところであればこのような形式のオファーに従い、承諾するケースがあります😊新規の工場や会社ですね、そこいらですとカウンターオファーなどで対応しますが内容が単純なもの且つお互いがすぐに理解できる明白な条件などあれば、取引実績が無くとも向こうから回答期限つきのPI (プロフォーマインボイス)をもらって、内容を確認後に承諾し契約が成立します。ここのProfoma Invoiceの形式はほぼ、Commercial Inoviceと同じ形式をとります。

 

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こちらがイメージですね。見にくいですが、下の方にValid Date 30daysと書いてあります。こちらは提出から30日間までこのオファーは有効ですよ〜という文言です、そのままですね😊ただ取引先にもよりますがValid dateが書かれていてもこちらがOKをしてよしっ承諾かと思いきや「いや、やっぱちょっと待って」という感じでまったがかかることもあります。「あれ、サブコンかい😅」と思っちゃいますね。実際ちょっと待って攻撃が本当に多いので困ります。本当はこのファームオファーの内容は取り消し不可能ですが、実際の貿易では取り消しだらけなのです。余談までに覚えておいてくださいね😊

 

2. 反対申し込みオファー (Counter Offer)

次に反対申し込みオファーについて。これは売ってくる側から来たオファーを見てその内容の一部、たとえばインコタームズを変更して再提出したり、船積みエリアを変更してオファーする(回答する)ことです。こちらは非常によく使います。実際お互い自分自身にとって都合の良い条件で出してきているわけですから、買手からしたら変更したいところだらけです 笑 ただ相手も利益をとらないとビジネスとしてやっていけませんので、こちらもそれに少しずつ擦り合わせ妥協しながら契約を締結するのです😊

ではどんなことがあるかと言うと、よくあるのはEXW条件を提示してきてそれをFOBなどの輸入者側の金銭、危険負担を減らすオファーをする事が多いです。EXWは向こうからしたら工場から出したら危険負担も無し、金銭面でも楽なのでとても助かりますね、さらにこの条件は国内費用 (トラックや搬入代金)までもこちらに請求できてしまいます。なぜ請求できるかと言うと、条件がどれかということにかかわらず貨物は必ず港まで運ばないといけないわけですよね。EXWで提示されそれでOKをしてしまったところで、国内費用は輸入者が負担しなければいけません。そこで向こうの国内のトラックや搬入費用は詳しい人でなければその相場が正しいのかわからないわけですがそこを漬け込んでFOBチャージとして、うんと乗っけてくる取引先も多いので注意が必要です。現地の相場を前もって知っておくのが基本ですね😊わからない時はフォワーダーさんや信用のある工場、またコーディネーターさんへ聞いてみましょう。フォワーダーさんであれば、直接メーカーに支払いをせずに、良心的な値段をこちらの請求書につけてくれ、また他の取引先であれば親切に教えてくれるはずです。情報は有効に活用しましょう😊

 

 

3.サブコン・オファー(Offer subject to Seller's Final Confirmation)  

さて次にこのサブコンオファーというのはもしオファーを受けとった買手がOKしても売手が「OK」しないと承諾しないオファーです。実際には価格変動が厳しい国ですと為替レートの関係で利益がない!なんてことも起こりえるのです。そんな重大な状況の中で慎重に進みたい時は基本的にこのオファーで取引交渉をすることが多いのです。レート以外でも部材の希少価値が極端に変動したり、今年度中に人件費をあげないといけない状況になる不安定な国もあるのです。そんな危ない状況の時はいつでも価格の変動に対応できるように、このサブコンオファーを提出してくるのです。契約を決めた後に何かあっては取り返しがつきませんからね。特に東南アジアなどはインフレが激しいので注意です💦また先ほども述べたように回答期限つきのオファーである確定申し込みオファーが突然ちょっと待って状態になり、サブコンオファーになることもあります。そこは臨機応変に対応していきましょう。

実際に窓口の人が売り上げや利益について理解していないとこういうことが本当にあるのです。「あ、値段間違えた!」なんてものはもう日常茶飯事ですね。弊社では「しょうがないな〜」なんて円滑に物事を進めたいので潔くOKにしてしまいますが、他の会社だと「この値段でOKしたじゃないか!」と認めないところもあるので揉め事やトラブル、書式の戦いに繋がっていってしまいます。弊社は買手(輸入者)であることが多いので輸出者の方は値段を提示する時は注意が必要ですね🙏 

 

4. 先売りごめんオファー(Offer subject to Prior Sale)

こちらはよく競争率の激しい商品を対象に契約した時に使われるオファーです。「はいバナナ安いよ安いよ〜😊早く買わないと売り切れちゃうよ〜」といった感じです。バナナはその昔需要が高くまた供給が少なく非常〜に手に入れるのが難しかったとか。今はいつでもスーパーで買うことができるようになりました。日本も大変豊かな国になりましたね😊そんな感じで需要の高い商品を売る時に行われるオファーです。売り切れたらこの取引はありませんよ〜早い者勝ち!先売りごめん!という感じです。

弊社ではあまり使わないオファーですが、食べ物とか機械系に多いイメージですね。流行りのものとか需要があって取り合いになるのでしょうか?😌

 

まとめ

はい!以上でまとめになります☺️テキストや参考書だと結構厳しい条件ぽい感じだったりするのですが、実際の取引ではキャンセルや変更は日常茶飯事、ファームオファーがファームではなくなったりとサブコンやカウンターオファーが弊社では多くなっています。テキストに囚われずに実際に取引される方は実務でどんどん経験してまいりましょう😊

さて、この4つがオファーなのですがよく貿易実務検定にも出ますのでテストであれば端的な内容を覚えておけば大丈夫です😊また承諾(Acceptance)について余談を致しますと、これらの交渉のOKサインは口頭でもEメールでも大丈夫なのですが、基本的には書面に残すためPO (Purchase Order)で返事をすることが多いです。心の隅に置いておいてくださいませ😊 

 

ではではこの辺で。