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船積み書類パッキングリストの役割とは?実務でパッキングリストのチェック方法を大解説!

みなさん、こんにちはふみです!

 

さて今回はパッキングリストについてお話していこうと思います。

パッキングリストはインボイスと並ぶ、輸出入にとっては欠かせない書類です。

 

パッキングリストも会社によってフォーマットがまちまちですよね。また貿易実務に関しての本をみると、これもインボイスと一緒で、情報が膨大です。

 

ということで今日はそんなパッキングリストのチェックポイントをお話ししていきたいと思います。

 

では、今回お話しする内容はこちらです!

  

  1. パッキングリストの役割
  2. パッキングリストの見方

 

 

 

インボイスと同様にこちらの2つについてお伝えしたいと思います。

 

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パッキングリストの役割

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ではまずパッキングリストの役割についてお話しします。

パッキングリストは荷物の梱包明細書のことです。どの商品がどのカートンに入っているかを記してあり、それぞれのカートンに入っている商品の個数、商品の重量、カートン全体の重量そして、カートンのサイズ、またこの貨物がどの船に積載されているのかが、詳細に書かれています。

 

この書類がないと、なんの商品がどのカートンに入っているかが分からず荷物を受け取った側が混乱してしまいます。

 

またこの書類は荷物を受け取る輸入者だけが見るものではありません、フォワーダーさんも通関という作業をするためにこの書類は必要であり、また港で働く人や倉庫で働く人もどのような商品でどんな大きさの荷物がどのくらい入ってくるのかを把握するためにもチェックする必要があるんですね。

 

そのため、できるだけパッキングリストは誰がみてもわかりやすいように書くことが良いとされています。

 

次にパッキングリストを実務でチェックするときのポイントを抑えましたので、みていきましょう。インボイスと同様に全体を把握しなければいけないものですが、重要な部分をピックアップしましたので、こちらをご覧ください。

 

1.会社名、住所

2.日付とインボイスなんばー

3. 船の情報

4. 商品名、個数、重量、大きさ

5. ケースマーク

 

 

 

1.会社名と住所

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まずは会社名と住所ですね。これはインボイスと一緒で必ず書かれていないといけません。どの商品がどの国から来てどこに行くのかは前回の動画でもお話ししたように重要です。ここも抜けていたら追加し、しっかりと書いていればインボイスの時と同じようにそれぞれの会社名と住所のスペルをチェックしましょう。

 

2.日付とインボイスナンバー

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次に日付とインボイスナンバーです。インボイスの時と説明がかぶってしまいますので、簡単に説明しますとこの日付とインボイスナンバーはお互いの書類の紐付けするために一緒に送られてくるインボイスと同じものでないといけません。

このように紐付けをしないとこのリストに書かれている荷物とインボイスのものとは違う荷物として扱われてしまうからなんですね。

ちなみにパッキングリストに書くからと言って、このナンバーはパッキングリストナンバーとは言わずにインボイスナンバーという名前で統一されています。

 

3. 船の情報

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次に船の情報です。これは書かれていないパッキングリストも多く見受けられますが、あった方が情報を管理するときに便利です。どの船に乗り、どこの港からいつ出港されて、そしてどの港にいつ届くのかという情報はいわゆる荷物のトラッキング情報として、追跡する事ができるからですね。

船の情報は、このような感じで書かれており船の名前も面白い名前もあるので、見てみると楽しいかもしれません。

また、港や倉庫で働く人にとっても、貨物の船情報を把握できた方がスムーズに倉庫での仕分けや入力作業ができるんですね。

自分たちがわかっているからいいやということよりも誰かのためになると思って書類造りをすることは大事なんですね。

 

4. 商品名、個数、重量、大きさ

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次に商品についての情報です。ここもインボイス同様、一番重要な部分です。

まずは商品名と数量はかならず、インボイスと一緒の商品名で統一します。これは当然ですね。違う名前にしてしまうと、違う商品なのですか?と思われてしまうからです。

しっかり同じ名前で、記載しましょう。

 

続いて、重量です。重量はしっかり目にお話しします。ここで記入される重量は2種類あります。一つはネットウェイト、もう一つはグロスウェイトです。

ネットウェイトというのは、その貨物の商品だけの重さのことです。要するに梱包資材の重さは含めない商品だけの正味重量ということですね。 次にグロスウェイトは商品と梱包資材も含めた全体の重さのことをいいます。

 

NW =正味重量

GW =全体重量 

 

さてこのネットウェイト ですが、どうしてネットウェイトが必要なのでしょうか?

 

運賃を決めるだけなら、グロスウェイト、貨物全体の重さだけで十分です。なのにパッキングリストには商品だけの重さも記入します。

なぜ記入しなければいけないかという理由は主に3つあります。 

 

1、単純に通関で必要

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通関で税関に申告を行う際には、品目の分類ごとに商品だけの正味の重量(NET WEIGHT)が必要になってきます。

 

通関は、全ての「もの」を国へ登録していくという作業でその作業をするに当たって1個1個それぞれの情報が必要なんですね。

 

名前、価格、重量、素材など詳細が求められているため、ネットウェイトの記入が必要になってきます。

 

2、ネットウェイトを書くことで通関申告の不正防止になるため

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例えば、一般的なサイズのぬいぐるみを輸入したとしましょう。大体50gくらいのものが50個1つのカートンに入っているとして、全体のネットウェイトは2.5kgsですよね。

 

ですが、もしパッキングリスト上の重量が30kgsとなっていたら、通関にひっかかかる可能性がとても高いです。

 

税関が実際に商品をみてる可能性は低いですが、ぬいぐるみと申告されている以上、ぬいぐるみがこんなに重いはずがありませんよね。

 

これが間違いでなければ検査対象になる可能性が十分に高いんですね。

 

重さに関しては嘘をつくことはできません、なぜならばB/Lが作られる時に必ず第3者が貨物の重さを図るからです。

 

ここでこんなに重いのに申告がぬいぐるみと書く人はいないとは思いますが、パッキングリストに正確な荷物の重量を記載することにより、悪い人が悪いことをできないようにする役割も果たしているのですね。

 

 

3、食品届けに必要

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まずは食品届とは何か?を簡単に説明します。

 

食品や食品を入れる容器、赤ちゃん用のおもちゃ、など食品と食品触れるもの、また赤ちゃんが舐めてしまう恐れがあるおもちゃは必ず、厚生労働省指定の検査機関で検査をして合格しないと日本に輸入できないことになっているんですね。

 

例えば、赤ちゃんのおしゃぶりを輸入する場合は必ず、このおしゃぶりを検査し、合格した時にもらう合格証が必要になるんですね。

 

食品届けは通関士さんが申告してくださるので、必要書類を送った後に、通関士さんがそのおしゃぶりの情報を税関へ流してくれます。この時にその1でお話ししたように通関の際にはそれぞれの情報が必要なように、ここでも必ずおしゃぶりの正味重量が必要になります。

 

この3つが主にネットウェイトが必要な理由になるんですね。

 

ここで注意したい点が、2つ目でお話ししたように矛盾が生じない書類を作ることを心がけましょう。

 

全く同じものを輸入するのであれば、それぞれのカートンの重さをチェックしやすいですが、実際あるシチュエーションで、

 

例えばカートンにはAの商品とBの商品、またこのカートンにはA商品のみ、そしてこのカートンにはB、C、Dの商品が入っているという複雑に箱詰めされている場合もあります。

 

そうなってくると、しっかり輸出側で書類を作ってくれているところはいいですが、たまにいい加減に書類を作る工場もあるんですね。

 

そういう時は、Aの商品のネットウェイトが100g、Bが 50gでそれぞれ50個入っていたら、合わせると7.5kgsになります。

 

ですが、このAの商品のみ入っているカートンのネットウェイトが、10kgsと書かれていたら、あれ?なんで重いんだろう?ということになってしまいます。AとBの商品を合わせた方が軽いはずがないからですね。

 

実際に荷物を量っているんだからこんなことにはならないと思いがちですが、実際に書類と実際の重さのズレは必ず起こります。

 

そういう時は書類を修正する必要がありますので、パッキングリストをチェックする時はよくよく矛盾がないように重量をチェックしてみましょう。

 

最後に大きさです。

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大きさはm3、CBM(キュービックメーター)、もしくはCUFT(立方フィート)で記入されています。

 

M3とCBMは読み方が違うだけで一緒の単位ですが、CUFTはあまり馴染みがないですよね。

 

日本はm3が主に使われていますので、CUFTはm3やCBMなどに直す必要があります。

 

これは計算ツールがweb上にあるので、CUFTを入力するだけでCBMとm3が出てきます。このような便利な機能は躊躇わずに使いましょう。

 

ここも重さと同様に、B/Lに記載されている大きさと異なっている場合がとてもよくあります。ここもB/Lと同じ数値でないと違う貨物とみなされ、輸入ができませんので、修正が必要になるんですね。

 

税関の担当者さんによっては、コンマ単位で合わせて欲しいという方もいるので、カートンサイズを細かく計算してB/Lのm3にしっかり合わせる必要があることも多いんですね。

 

 

5、ケースマーク

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最後にケースマークです。

ケースマークもデータとして添付しない工場も多いですが、ケースマークは添付するとあとで書類を見返す時にとても便利です。これは通関には必要ありませんので、輸出者と輸入側の管理用としてつける事が多いものです。

 

この貨物にはなんの商品がいくつ入っていているかはパッキングリストに文字として書かれていますが、視覚的に画で捉えた方が人間は見やすいんですね。

 

なので、ケースマークのイメージをパッキングリストに添付するのはとてもありがたいし、便利なのです。

 

なので書類をチェックする時も、ケースマークがついていなければちょこっとイラストを挟むなどしてもいいかもしれませんね。

 

さて、今回はパッキングリストについてお話ししました。

インボイスと同様にしっかり全体をチェックする必要がありますので、時間をかけてゆっくり丁寧に確認していきましょう。

 

では今回はパッキングリストについての内容でした。

ご参考になればとても嬉しいです。

 

ではでは、この辺で。