貿易事務員になりたい方必見!新卒の求人は少ない?派遣が多いのは何故?
みなさんこんにちはふみです!
今日はコメントでも多い貿易事務員の求人についてです。
新卒の方や転職を希望される方で貿易事務の仕事に就きたいのですがどうすればいいでしょうか?資格は取った方がいいでしょうか?というご質問が多いので今回はそれに答えていこうと思います。
では今回お話する内容はこちらです。
1、貿易事務の職種を知ろう
2、貿易事務は派遣が多いのはなぜ?
3、新卒から貿易事務は求人が少ない?
4、資格はいるの?
5、貿易事務の仕事をしたい方へ
1. 貿易事務の職種を知ろう
まずは貿易事務は一言でその仕事内容は表せません。
貿易事務にはメーカー、商社、フォワーダー、船会社、倉庫など業界や職種によって仕事内容が変わるからです。
メーカーは実際に扱う商品を直接海外とやり取りし、輸入したり輸出したりする仕事です。商社も同じような感じが多いです。
フォワーダーは直接貿易をすることはせずメーカーや小売り、商社などが輸入、輸出したい貨物の物流を支える仕事がメインです。
倉庫では海外からもしくはこれから海外へ送る貨物を管理して船に載せる、もしくは日本の荷主へ渡すまでの手続きを行う仕事です。
なので、貿易事務として働きたいと思った方はまずどうしてその仕事に就きたいのかどの情報を見ていいと思ったのかを思い浮かべてみましょう。
例えば、海外の商品を輸入して売るのがかっこいいと思う方は商社などでバイヤーという買い付けの仕事を目指したり、海外支店で物流を支えることをしたいと思う方は海外支店のあるフォワーダー業や、船会社などの仕事を目指すと言った具合です。
自分の想像するやりたいことをするにあたって業界、会社選択はとても重要なので覚えておきましょう。
ここからは余談ですが、会社選びで役に立つのはやはり面接です。
具体的なやりたいことがわかったら、その仕事を叶えてくれそうな会社を探すことになりますが求人を見て決めていくことになりますよね。
実際のどんな仕事をしているのかは入ってみないとわかりません。仕事を決めるにあたってはなれない人もいるかとは思いますが面接で積極的に聞いていきましょう。
・仕事の1日のスケジュールを教えてほしいです。
・具体的な仕事内容でどの仕事の割合が多いでしょうか。
・将来的にこのようなことがしたいのですが御社で取り入れる予定はありますか。
などですね。
会社選びの際、面接はとても重要なフェーズになりますので
自分のやりたいこととその会社で行うことさらにその会社が求めている人物像を掘り下げていってみてくださいね。
2.貿易事務は派遣社員が多いのはなぜ?
貿易事務員は正社員が少ないというイメージが多いと思います。確かに求人を検索してみると時給1500~などの派遣社員枠がとても多く目立ちます。
これはなぜかというと書類を捌く仕事が多いからです。フォワーダー業も倉庫もメーカーも貿易事務の仕事は書類と仕事をするというくらい多くの書類が出てくるからです。
一つの貨物を輸入/輸出するのに10種類くらいの書類を船会社、フォワーダー、税関、メーカー、倉庫などの間でやり取りをしてようやく貨物を受け取ることができ、とても大変な作業ではあるのですが、事務的作業がメインなので正社員として雇うというよりもそれだけをやってほしいという意味で派遣社員の枠が多いんですね。
正社員として雇うという企業の多くはそれ以外にも営業事務、もしくは直接営業をやってもらいたかったり、経理、商品管理など他に多くのことをしてほしい場合があることが多く、作業はさらに増えますが正社員として働くということは単純なオフィスワーク+アルファが求められることが多いんですね。
3、新卒から貿易事務は求人が少ない?
これは2番に引き続き言えることですが、求人の多くは書類をさばく仕事です。新卒の子にはこれから会社を支えられるよう多くのことを学んで欲しいという企業ばかりです。
なので大手就活サイトなどはバイヤーや商社の総務や購買部などの求人はあるとは思いますが、ここでいう貿易事務の書類ワークだけのお仕事はそんなにないんですね。
確かに新卒からペーパーワークだけを行うのは勿体無い気もします。できればペーパーワーク+営業だったり管理職系のスキルも見につけてほしいという若い子には経験をという企業が多いんですね。
4、資格はいるの?
この質問は多く寄せられます。会社によりたとえば通関士の資格必須のところもありますのでそういうところは必要になります。貿易実務検定は必要かどうかの質問も多いですが、体系的に貿易事務を学ぶ上で貿易実務検定を取るのは大いにありです。
よく求人に貿易実務検定C級、B級取得の方優遇!とありますが、未経験で雇っている会社さんは、貿易の流れをだいたいわかっている方を優遇するという意味で必須ではなかったりします。その方が社員教育がしやすいからです。
またこれは本当に余談なのですが、一緒に働く人にもより、とても嫌味な人も会社にいたりします。資格を取っていても経験がなければ知らないことも多いのがこの仕事です。資格を持っていて少しでもミスをすると資格を持っているのにわからないの?と謎の攻撃をしてくる人もいます。
私は資格を取得していませんが、検定などの資格はアピール材料の一つにはなりますが
そういう人の攻撃を気にしすぎてしまう方は資格はプラスアルファのアドバンテージとして認識することも大事なんですね。
5、貿易事務をしたい方
貿易事務をやってみたい方は、新卒の場合は大手商社やメーカーの海外事業部などで貿易を学べる機会があるのでオススメです。
新卒でない方でも大手中途採用もあるのでそこに応募してみたり、派遣社員からという選択もあります。貿易事務の求人は派遣社員がほとんど派遣が多いのが現状です。
正社員がいいと思う方は、根気よく自分にあったところを探してみるもしくは正社員登用をしている会社を選びましょう。だいたい3ヶ月から半年くらいで登用してくれるところが多いかと思います。
さて今回は貿易事務員の求人についての動画でした。
貿易事務としてはたらきたい方の参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。
NACCSでの通関方法とは?IDA海上輸入貨物の入力方法を公開 -繰返部編-
みなさんこんにちは、ふみです!
では前回の記事の続きで繰返部の入力を行っていきましょう!
共通部編は下のリンクから ^^
NACCSでの通関方法とは?IDA海上輸入貨物の入力方法を公開 -共通部編- - 貿易事務の世界 IMPORTER’S WORLD
さて共通部の入力が終わったらつぎは繰返部です。
この上のタブをクリックすると繰返部の入力画面になります。早速入力していきましょう。この繰返部では商品の情報を入力していきます。
どんな商品なのか、重さはどのくらいか?どこの国で作られたのかなど必要事項を記入していきます。
そうすることにより海外からくる貨物に税金がかけられ、それを支払うことで輸入するプロセスをするために輸入する品がどんなものかをここで入力します。
品によって税率が違うんですね。
今回はポリエステル製のトートバッグともう一つ無償分にPP poly bag という商品が含まれています。
通関をするにはIVにある全ての情報を入れる必要があり、今回はこの2つの製品のコードや重量などの情報を入れる必要があるんですね。
では早速品目番号から入力します。
この品目番号がHSコードのことですね。全ての商品はカテゴリーごとにこのコードが割り振られているんです。
ここは通関士さんがとても詳しいのでわからない方はこの商品はどの税番になるのかを通関士の資格を持った方に聞くか、一度輸入したことがあるのであれば、前回の輸入許可証をみてみましょう。
このコードは税関HPでみることができますが、その数は膨大で全く通関をしたことがない方にとってはどれがどれだけわからないかと思います。
実務で行う場合はせんぱいや詳しい人に聞くかまずは実績という実際に輸入した許可書を参考にして打ち込んでみましょう。
ではまずはトートバッグから入力しますね。
この番号は実績だと、4202.92-000 2というコードでしたのでそれを入力します。
これは番号の最初の2桁で42類の製品のものということがわかります。
でそれに続く数字は細かい分類によって分かれています。詳しくは税関HPで調べてみてくださいね。
次に原産地です。ここも色々と国によってかわりますが、今回は中国産なのでCNとなります。
次のとなりの枠はどうして原産地がCNなのかということを証明するために記入する枠です。
今回は原産地がインボイスからわかる貨物なのでRとなります。
インボイスなどにmade in OOと書かれていれば、このインボイスによって原産地が証明できるということになるのでそのような文言が書いていればここはRと入力するんですね。
原産地証明が確認できないものはNや協定用原産地証明書が ある貨物はGなどコードが分けられていますので、
わからない場合は輸入申告事項登録(IDA)」業務業務仕様書(本文)7.特記事項をGoogleなどで検索しPDFの7項目目を見てみましょう。
つぎに数量です。ここの数量はNet weightを記入しています。
Net weightはパッキングリストをみて入力しましょう。
かならず.00まで書きましょうね。隣は単位が入るのでkgと記入します。
つぎにBPR係数です。これは複数の違う品を輸入する場合は、それぞれの商品単価を必ずここに記入していきます。
なぜかというと、naccs操作方法その1で運賃を入力するところがありましたよね。
関税や輸入消費税を計算するにあたり、これらの税金を計算する場合は商品代金+運賃も加算された上で税金が算出されます。
なので、このBPR係数に商品単価を記入すると按分と言って、
その商品単価をもとに運賃の割合が、トートバッグとPP袋に割り当てられるようになっており、運賃を含めた税金の計算を自動で行ってくれるわけなんですね。
ここはとても重要な部分です。
按分をしないと、それぞれの関税や消費税に誤差が出てしまいます。正確な税金を計算する他にもIVに複数種類の品がある場合は、それぞれの商品単価をしっかりと記載していきましょう。
では最後に消費税等種別です。ここはF4と入力されます。
これで1欄の入力は終わりですね。
2欄には無償分のPP袋の情報を入力しますので先ほどと同じように入力していきましょう。
さてこのようにできました。
ここまで入力すればあとは最終チェックをし入力ミスなどがないか確認しましょう。
全て、問題なければこの画面にはないのですが送信ボタンを2回押すと申告完了です。
すると、naccsの受信トレイに申告登録の書類がPDFで送られてきます。
何も問題なければ区分1と言って、スムーズに申告できると送信をした瞬間に輸入許可書を受け取ることもできます。
これで晴れて通関ができ外国貨物を日本国へ入れる準備ができたことになるんですね。
外国から来る貨物は全てこの通関というシステムを通して毎日、膨大な量が日本へやってきます。
今回は海上貨物の輸入申告についてですが、naccsではもっといろんなことができます。
※計算部分は誤差がありますので参考程度にみてくださいね
また機会があればまた別記事でご説明しますね。
では今回は海上貨物のためのnaccs操作方法についてでした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。
NACCSでの通関方法とは?IDA海上輸入貨物の入力方法を公開 -共通部編-
みなさんこんにちはふみです!
さて今回は、NACCSを使った実際の輸入申告を伝えていこうと思います。
通関はマニュアル(手動)といって直接各都道府県の税関へ行き、そこで書類を見ながら
NACCSという通関をするためのソフトを使って海外からくる貨物を審査していくんですね。
今回は海上貨物の輸入申告の方法をお話ししていきます!
では早速、今回お話する内容はこちらです。
1、NACCSで申告してみよう!
IDA海上貨物輸入申告 -共通部入力編-
では今回は、食品検査(食品を仕入れるためのルールに基づいて審査に合格しない食品や口に触れることのある商品を輸入していないか)
や植防検査(違法な植物を輸入していないか)など輸入するに当たって検査や重要な審査のない一般的な商品の貨物を輸入する場合でお話して行きます。
まずは用意する書類はIV、PL、AN、BLの4つです。
その他必要なDOや他の資料が必要な場合もありますがとりあえずこの4つを用意しましょう。
では実際にNACCSを開いて申告ページから進んで行ったところからお話いたしますね。
一般の輸入申告はIDA (SID)海上貨物業務コードから進みます。
NACCSは使うカテゴリーが多いので世界中の空港コードが英字で分けられているように全ての業務の操作はコード別に分かれているんですね。
ではIDAを開くとこのような画面が出てきます。
画面は2種類あって、それぞれ共通部と繰返部に分かれます。
※著作権の問題もあるのでこちらは私が実際のものを模して作ったダミーです。
共通部は、輸入許可書でいうこの上部分を構成していて、主に輸出者や輸入者、貨物の情報が記されています。
繰り返し部は許可書の下部分を構成していて、主に貨物の関税や消費税が記されています。
この2画面に必要事項を入力して送信を押すと、
税関スタッフさんに届くのでそこから輸入貨物の審査が始まります。
では、今回はこのポリエステル製のトートバッグを輸入して見ましょう。
※引用 https://novelty.raksul.com/
必要な書類はそろえましたので上記でダウンロードできる資料をみながら行ってまいりましょう。
まずは共通部から入力していきましょう。
この大額か少額かというのはIVの合計金額が20万1000円を超えていれば、L それ以下の場合はSなります。
郵便でもこの金額を超えると税関へ申告が必要になりますよね。
今回はUSD6000以上なのでLと入力しましょう。
次に申告種別は今回はC:輸入申告(申告納税)なのでCと入力します。
コードがあるので、そのほかの説明は割愛します。
そしてあて先部門まで入力は行いません。こちらは自動入力されるんですね。
次は輸入者の住所です。この枠には会社の法人番号(17桁)が入力されます。
あとはIVを頼りに入力を行っていきましょう
電話番号も入力しましょう。
次は蔵置場所です。これはANに書いてあること多いのでANを見ると1ABCDと書いてありました。
この記号は倉庫1つ1つに割り振られているコードです。
どこの倉庫に保管されているかをここで入力する必要があるんですね。
次に仕出人です。これは輸出者の住所なのでIVもしくはPLを参考に入力しましょう。
さあこんな感じで埋まっていきます。
次にB/L番号です。これは搬入確認番号を入力します。
搬入確認番号は、DOという書類に載っているのですがこの番号は基本的にSCACコードとM B/L番号を合わせたものなんですね。
SCACコードというのは船会社が持っているコードです。船会社1つ1つにまたコードが割り振られているんですね。
これはネットで調べれば出てきますが、大抵はANに記載されています。(不安な方はDOを見れば確実)
今回はABCDEがscacコードですね。これにM BL番号を合わせたものが搬入確認番号でここに入力されるB/L番号です。
ではここにこのように入力していきます。
OKですね。では次にこの貨物の個数を入力していきます。貨物の個数は127なので
ここに127と入力してその横に単位を入力します。カートンなのでCTになるんですね。
その隣は重量を記載します。ここは1541.00と入力し単位はKGMです。
次に貨物の記号等の欄ですが、これは必ず倉庫の情報と一致してください。
倉庫の情報というのは別の業務コードICGという貨物情報照会という同じnaccsのソフトで見ることのできる貨物の情報です。
今入力している画面を操作しながら実際はICGで今輸入申告を行う貨物の情報を見ながら行って欲しいくらい大事な情報、また調べなくていいものでコピペできる項目もありますので時短の為に是非行ってください。
このICGに搬入確認番号を入力すると貨物の情報を見ることができます。
ここに貨物の記号欄があるので必ず倉庫さんが入力しているものと同じ情報を書いてください。
例えば、今回はtote bagを輸入するのでこちら側でtote bagと入力したとしても
倉庫さんがbagと入力していたら、一緒の貨物なのに別の貨物扱いになってしまうんですね。
実際にここが違うということで、貨物が受け取れず、直接税関へ向かい輸入許可書を修正してから倉庫へ貨物を撮りに行ったこともありますので十分に気をつけてくださいね。
そしてその下もICGの情報からコピペできるものばかりです。
積載船はまた船自体にもコードが割り振られています。そのコードも調べられますが資料が大変見にくいのでICGから取ってしまいましょう。
卸し港も出港した港もそれぞれコードが割り振られています。
今回は深センから東京なのでこのように入力しますね。(深圳はCNSZXでした失礼しました^ ^ ;)
この部分は自動入力されるので進んでしまいましょう。
そしてこの貿易形態別符号は518です。この番号は調べたのですが、難しく、、
とりあえずはこの番号は今は入るとだけ覚えておきましょう。
さて次にインボイスの情報をもとに記入していく項目です。関税、輸入消費税にかかわるので注意しましょう。
まずこの欄は、また英字コードが入りますか、基本はBと入力することが多いかと思いますが。Bはインボイスのコピーのことです。
Aはインボイスではあるのですが、原本をやりとりすることはありませんのでどのような書類形態からこの情報をだすのかとなるとやはりみなさんはインボイスのコピー、つまりシッパーからメールなどでもらった書類をもとにするかと思います。そういうものはインボイスのコピーにあたりますのでここはBと入力します。
次に仕入れ書番号です。
これはインボイスにあるインボイスNo.を入力します。
仕入れ書価格はインコタームズにより変えましょう。弊社はFOBなのでFOBと記入します。
(※YouTubeからのコメントにより、ここはインコタームズではなく、該当するインボイスに有償分、無償分がある場合でコードが変わります。今回はCになります。)
ここが違っていても通関できることがあります。ですが、できるだけ正確な情報を記載しましょう☺️ご指摘ありがとうございます。
次に通貨ですね。アメリカドルならUSD 、日本円ならJPYとします。
そしてここにはインボイスの金額を載せますが、無償分も全て載せる必要があります。
運賃はここもAになります。
運賃はたいてい日本でアライバルに書いてありますのでそれに準じましょう。
ここで最近いろいろなチャージが増えて、運賃は海上運賃だけとは限らなくなりました。
他にも燃料代やコンテナ不足に対するチャージも運賃として加算されるようなったんですね。
今回の場合はこの運賃と、CIC、sulpher 、ドレージ代金、などが運賃として加算されます。全て足してここに日本円で入力しましょう。
※どのチャージが運賃として加算されるかまだ曖昧なところもありますので、実際の業務で学んでいきましょう。担当者さんによっては、加算するものしないものが違う場合があります。
保険はかけてない場合はDです。今回はかけてません。
評価ですがこれは運賃のように商品をつくるにあたりほかにお金がかかった場合に申告しないといけないものです。
今回はトートバッグですが、例えばトートバッグに何か印刷する工程がありその印刷自体に版などの金型を作った場合はその型代も申告しなければいけません。
ほかの商品も必ず、その商品を作るにあたって金型や版、サンプルを作るためお金を支払ったなどがあれば必ず申告しましょう。
今回はないので0とします。
この部分は重要なのでまた別の機会に詳しくお話ししますね。
さて次は納付方法です。
納付方法は自分の会社などから遠隔でNACCSを操作している場合は、たいてい口座を持っているはずなので、ナックスに登録してある口座を登録しましょう。
ここにはリアルタイムの頭文字Rが入り、となりに口座番号を店番から銀行コード、口座番号の順にいれます。これは登録したとおりのものですね。
さて、ここまでで共通部の入力はおしまいです。入力必須もあれば全部が必要ない、またある商品によっては大事な入力もあるのですが、今回はこのように記入していきました。
長くなってしまったので、今回は共通部のみの説明で終わりにします ^ ^
ご参考になれば幸いです。
許可書1 (計算部分誤差あり) 参考程度に見てください。 https://drive.google.com/file/d/1uhfY8JLzJAD52ORvhdHusopRCh2oCDXF/view?usp=sharing 許可書2(計算部分誤差あり) 参考程度に見てください。 https://drive.google.com/file/d/1_2PJJDUVdtWB97HBwmuZeXi7T4MqJjH0/view?usp=sharing 共通部 (ダミー) ブランク https://drive.google.com/file/d/1nBr8IoJahXIMYQoZE41lV2ozqMJ2c9Ej/view?usp=sharing 繰返部 (ダミー) ブランク https://drive.google.com/file/d/1HlLtneqEZiWgK0D-gLV-YmAosSKDCRf8/view?usp=sharing 共通部_入力済み https://drive.google.com/file/d/1lXDXlGkOHt7JrBf5YBjGqEZqyXkCkF96/view?usp=sharing 繰返部_入力済み https://drive.google.com/file/d/1qy0ftbrhB2VkoqlmNmUNqUm3cFUXoXhA/view?usp=sharing インボイス https://drive.google.com/file/d/1iV1GhVfJ6NNmtKhOKkrf-7jwKxoo-cDI/view?usp=sharing パッキングリスト https://drive.google.com/file/d/14f2Z_2QIakebTuhZo_zlgJgAX7rkjZmH/view?usp=sharing アライバルノティス https://drive.google.com/file/d/1pyrfF0V76p_PBKk5i0Xx3qmTlSXRa92S/view?usp=sharing ビルオブラディング https://drive.google.com/file/d/1eHusBsWmhrRq43eUfpnB29xZJRUcvJT1/view?usp=sharing
貿易事務のキャリアアップ方法を伝授!
みなさん、こんにちはふみです!さて今日は貿易事務員のキャリアアップの方法について私の見解を述べていきたいと思います。
貿易事務員として働く中で、もう少しスキルアップしたい、貿易業務はある程度マスターしたので別の仕事も取り組んでみたいなど思う方もいるかとおもいます。
そこで今日は私の経験から貿易事務員がどのようにキャリアアップしていくのかについてお話したいと思います。
では今回お話しする内容はこちらです。
1. 貿易事務員の仕事内容 -どんな仕事があるの?-
2. 貿易事務は未経験でもできる -未経験が多いのはなぜ?-
3. 私のキャリアアップ術! -ふみのやり方はこうです!-
1. 貿易事務員の仕事内容 -どんな仕事があるの?-
まずはみなさん貿易事務って聞くとまずはじめに何を思い浮かべますか?
私のように海外の会社と取引をしている人もいれば、港で働いている人、空港で働く人、また倉庫でもどこでも貿易関係の事務処理などしている人も実は貿易事務員なのです。その職種は多岐にわたります。
代表的なものピックアップすると・・・
- フォワーダー
- 港倉庫業
- 船会社
- メーカー
- 商社
- 小売
などなど!その会社によって、また彼ら/彼女の仕事によりとても幅広く一概に何をしているかはその人に聞いてみないとわかりません。
それぞれ簡単にどんな仕事をしているかというと、フォワーダーさんは物流をメインに仕事を行っていて主に輸出入をお手伝いをしてくれる方達です。
港の倉庫の貿易事務は窓口でトラックの運転手さんへ荷物の受け渡しを行ったり、港や輸入された英文の書類を捌いたり港にあるたくさんの貨物を管理するお仕事です。
船会社のお仕事は船の輸送に関する仕事がメインのところが多く、船の航路を決めたり、運行スケジュールの調整、船に関しての全体的なコストを計算して削減に向けて取り組んだり運航する船に関してのお仕事がメインなんですね。
メーカー、商社、小売は自社の製品を海外で生産し、それを輸入したりメーカーであれば逆に日本で生産したものを海外へ輸出する仕事をメインに行っています。
このくらい貿易の世界は広く大きく、それぞれの職種は多岐に渡り貿易事務であっても仕事内容は違うんですね。思い浮かべていたものよりさらに想像が広がるかと思います。
2. 貿易事務は未経験でもできる -未経験が多いのはなぜ?-
貿易事務は、未経験でも仕事ができる専門職が特徴です。求人を見ると未経験OKというところも多いと思います。
私も実際に未経験から今の仕事を始めています。
私はメーカーの貿易事務員で、貿易事務は輸出入のスキルを身につけることができるので物流に関しての幅広い知識がつくんですね。
また海外の工場とやりとりするので英語を使うことも可能です。グローバルに働けることでやりがいも見つけやすいことがこのこのメーカー貿易事務員の特徴なんですね。
ちなみにどうして未経験からでも可能なのかという点ですが、この仕事は突き詰めると知識が必要な仕事内容もあるのですが、
輸出入における既存のフォーマットを使った書類のラリーが多く、決まったルーティンのもとで働くことが多いのも特徴だからなんですね。
もちろんイレギュラーな事柄も多々ありますが、書類ワークが多いこの仕事は覚えてしまえば比較的早くに一人前になることができる仕事でもあるのです。
今では8年この仕事をしていますが、ものづくりの流れや、製品にかかるコスト、物流の流れ、海外工場への交渉術、営業、企画、開発、加えて一般的な事務仕事を極めてきています。
資格が必要というところもあるかとは思いますが、ほとんど未経験からというところが多いのでもし、一般的な事務プラス何かスキルを得てみたいという方は貿易事務のお仕事を検討してもいいかもしれませんね。
3. 私のキャリアアップ術! -ふみのやり方はこうです!-
では本題です。実際に貿易事務として働く中でどのようにキャリアアップをしていくのでしょうか。
事務員といえど、どの会社でも年齢やスキルに応じてキャリアアップの道は設けられているところが多いです。
私の会社は少数精鋭の会社なので一人で2−3人分の仕事を行う時もあります。もちろん休みながら仕事を上司と調整しながら行っていきますが、
そういうところでは事務員プラス営業、企画・広報などの仕事を求められることがあるんですね。
なのでまずは今の仕事を一生懸命行い、誰がみてもその仕事を任せられるくらい成長しましょう。そこが基本です。基礎を疎かにしてしまうと他の仕事を任せてもらえなくなってしまいます。
なので与えられた仕事をしっかりこなしていくのが大事です。
一通り仕事をこなせば、だんだん視野が広がってきて今働いている会社に何が必要で何が不要かなどが見えてくるんですね。なので基礎を固めるということは全体的に会社を見通す力を養うことにつながるんです。
全体的に会社を捉えられれば、上司にこの部分を改善した方がいいのではないかとか、この部分はカットして仕組みをダイエットさせたりなど自分の意見がとても言いやすくなります。
仕事を一生懸命行っている人の意見は上司が買ってくれる可能性が高くなるんですね。
私の場合は、輸入のコストを計算して年間でどのくらい輸入の経費にお金がかかっているかを上司に報告し、それを削減する案を提案しました。
それが長年の間で認められて今では物流のコストや納期に関する裁量を与えられて自分独自で輸入ルートを決めることができています。
会社にもともとある輸入の方法、仕入れ方法、航空や海上、陸上など、ずっと同じやり方のまま変えない会社もありますが何が一番最良なのか、コストからも納期からの多方面から物事をみていい方向に変える権利をもらえることもあるんですね。
それから私は製品の仕様やコストについても意見を出すことがあります。
例えば会社独自の金型で作った製品の家具で折り畳み式のテーブルがあったとしましょう。
海外工場とやりとりをしているとどこの不良が多いのかなどがわかってくるんですね。そうなるとこの部分不良が多いのであれば改善の余地があるなとか、他社の製品と見比べて、この部分は必要ないのかもしれないなど、
この不要な部分を取り除けば
お客さんにもこちら側にもメリットがあるようなコスト削減を実現することができたりもします。
それに加えて、企画を任されることもあるんですね。製品をよりよくわかっている貿易事務員は不良が少なく、採算があい、さらにニーズがありそうな商品の企画を任されたりもします。
最初は難しいかもしれませんが、一通り仕事をこなしていると段々とやり方がわかってくるので企画案もポンポンと出てくることもあります。
このように会社によって違いはありますが、まずは自分の仕事を極めて、会社に何が必要か何がいらないかを捉えそれを自分でまとめて発言していくことが大事なんですね。
スキルアップはお給料ややりがいに通じることがあり大変いいことですが、やはり一番は仕事が楽しいと思えることがいいですね ^ ^
では今日のまとめです。
1. 未経験から貿易事務へ (なりたい方) →経験ゼロからベテランへ
2. 今の仕事を一生懸命行う →視野が広がり、全体的に仕事を捉える
3. 自分の意見を発信 →企画営業、コストカットなど発言していく
結果としてスキルが上がりキャリアアップへと繋がる
このように仕事の幅を利かせられる貿易事務は将来性があると私は思っています。
この仕事をやる上で、物流の知識や商品知識はかけがえのない財産です。
どの仕事でも共通しますが、
培ってきたいろいろな経験やスキル + 自分のやる気さえあれば年齢関係なく
いろんな職種に携わることも可能なんですね。
ぜひキャリアアップを目指している方があったら参考にしてみてくださいね。
では今回は貿易事務員のキャリアアップ方法についてのお話でした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。
各国の貿易収支を知ろう!貿易赤字・黒字とは? ー貿易摩擦をわかりやすく解説します!ー
みなさんこんにちはふみです!
さて今回は、日本や諸外国の貿易収支についてお話ししていきます。
これは貿易実務検定にも出てくる経済的背景の知識を問われる問題としても出てきますよね。2007年の中国との最大貿易相手国はアメリカである。などの設問も頻繁に登場します。
テストでもそうですが、貿易をしている上で世界でのお金の動きがわかったり、各国の経済力なども把握できますので貿易に携わっている方はぜひ知っておきましょう。
では今回お話しする内容はこちらです。
1、日本、中国、アメリカの貿易収支
どの国が一番儲けているの?
2、貿易摩擦って何?
貿易は儲け過ぎてはいけない!?
さて早速みていきましょう。
1. 日本・中国・アメリカの貿易収支について
ではまずは日本中国アメリカ3カ国間で行われている輸出入についてみていきましょう。日本にとってメインの貿易相手と言われるこの中国とアメリカですが、日本はこの3カ国中、どのような立ち位置なのでしょうか。
こちらの表をご覧ください。
(出所)日本貿易振興機構(ジェトロ)ウェブサイト「統計ナビー貿易統計ー世界貿易マトリクス」
これはJETROが提供している統計ナビです。ここで日本、また取引先主要国や同盟の貿易収支を見る事ができます。今回は2019年に行われた世界の貿易をみていきましょう。
この表はマトリクス表と呼ばれるもので、ご存知の方も多いとは思いますが、まずは簡単に表の見方の説明をしましょう。
これは輸入と輸出に関して、それぞれの国同士でどれくらいの金額をやり取りしたのか、そしてお互いにどれくらい貿易しているのかがわかる表です。
まずは左上の数字をみてみましょう。
18,684,769と記入されていますね。そして右上をみてみましょう。単位が100万ドルになっています。ここで、これはアメリカドル(基軸通貨なので)なんだとまずは単位を確認しましょう。あまりにも膨大な金額なのでこのように大きな金額を表にするときはこのように単位を決めてあげるとみやすい表になるんですね。
ちなみに100万ドルは日本円で約1億円です。
ここでパッと金額が頭に出てくる人はいいですが、わからない方はこの表の数字にゼロをつけてあげましょう。
まず一番左上の数字は18,684,769ドルですね。ここに1億円分のゼロをつけてあげます。これはドルなので、100万ドル分つけてあげましょう。
1,000,000ドルなので0が6個ですね。18,684,769,000,000ドルこれは日本円で幾らかというと、1$=100円くらいなので、単純にゼロを2個つけてあげましょう。そうすると1800兆円になります。すごい金額ですね。世界ではこんなお金が1年の間に飛び交っているんですね。
では単位がわかったところで、それぞれの貿易収支をみていきましょう。
まずは日本の輸入についてみていきます。日本の輸入をみたい場合は行の日本のところをみます。そしてどの国からどのくらいの金額を輸入したかをみたい場合は、その列の国を探してクロスさせるだけなんですね。
さてまずは中国に対してどのくらいの金額を輸入しているのかをみてみましょう。中国はここですね。そしてクロスさせると、この数字ですね。143,224ドル取引をしています。
これを日本に直すと約14兆円にもなる金額を取引をしています。
輸入なのでこの金額を1年間で中国に支払っているというわけなんですね。
一方、どのくらいのものを中国に輸出しているかというと、
輸出の列をみて、行の中国をみてみましょう。134,710つまり13兆円ですね。
輸出なので1年間に13兆円ものお金を中国からもらっているということになります。
これを比べて見ると、この年では中国と日本ではある程度、均衡を保って貿易をしています。
これは貿易だけを見るとお互いのバランスが取れている、いい状態と言えるんですね。
どうやらこの年の日本は中国とは対等な関係が築けているようです。
次に対アメリカをみてみましょう。
日本はアメリカから74,653ドル、つまり7兆円分のものを輸入しています。
中国に比べたら半分くらいの金額をアメリカに対して使っているんです。
次に日本はアメリカにどれだけ輸出をしているかというと、140,394ドルつまり14兆円ものお金をアメリカから得ているわけです。単純に輸入の金額の倍くらいです。対アメリカとの貿易は黒字なんですね。
やったー、中国との貿易は赤字だったけど、アメリカとの貿易は黒字でしかも単純に7兆円も黒字なんだーと嬉しい気持ちになるかも知れませんが、貿易に関しては黒字に単純に喜んではいけません。
貿易はどちらかが一方的に儲かってはいけないんですね。
なぜかというと、どちらかが一方的にもうけていると、その輸入している品と国内で生産している同じ品に大きな影響が出るからです。
では次にこの片方が一方的に儲かってはいけない現象である
貿易摩擦についてお話ししていきます。
2、貿易摩擦について -儲け過ぎちゃいけないの?-
みなさんは、トランプ元大統領がトヨタに対して儲けすぎだ!怒って言っていたことを覚えているでしょうか。
2019年ごろ、トランプ元大統領が日本の車の輸入が増えすぎだと発言したあの問題です。
どうしてこのようなことをいったのかと言うと、トヨタの車ばかりがアメリカで売れてしまったら、アメリカ製の車が売れなくなりアメリカの車産業が停滞してしまうからなんですね。
自国の車が売れなくなったら、車の会社も利益がなくなりますよね。最悪な場合は人件費を削るため人を切らなければいけないということで雇用問題にもなってしまうんです。
トヨタの車が売れるということは日本の経済にとってはとてもいいということにはなるのですが、貿易というものは複雑でどちらかが儲け過ぎればどちらかが悲しむというこ事が起きてしまいます。
また雇用を失った人も、儲かっている国のバッシングをしたり不買運動と言ってその国製品は買わない!ということをしたり、その国に関係するお店を壊したり、国旗を燃やしたりと、、そんなことをしてもどうにもならないのにと思うことも、
やってしまう事があります。人の心に大きな穴が空いてしまいこのような悲しい社会的問題も発生してしまうんですね。
このように貿易でどちらかが儲けすぎていて、片方が不公平になる現象を貿易摩擦といいます。
この貿易摩擦を解決する方法はこれ!と言うものがなく、、不公平を感じている国がその大量に輸入をしている商品に対して関税という税金をかけるという選択をとる事が多いです。
この関税は、いわば自国の製品を守るためにある税金です。
外国からくるものにお金をかければ簡単には輸入しなくなるからです。誰もお金がかかるものは手が出しにくくなるので、その分自国製品を消費する方向にシフトできるんですね。
ただそれは牽制でしかなく、実際は需要がまさっているため輸入が大幅に減るということには繋がらない事が多いのですね。
なので基本的には輸出している側が輸出を制限して調整してあげるという、しょうがないなぁという気持ち、いわゆる譲歩をしてあげるのが解決策として使われているのが現状です。
とても複雑で難しい問題ですよね。
自分の国が自分達の作った商品を売ることによって経済が潤うということは嬉しいですが、それが原因で相手国の一部の国民に被害が出てしまい、自分たちの作った商品が嫌いになったり、壊してしまうわけです。。とても悲しいことです。。できるだけお互いに均衡保った関係が望ましいというのが貿易なんですね。
ですが、デメリットが多いと思われるこの貿易摩擦ですが一方でメリットもあります。
貿易摩擦で起こる良い影響
それはいろんな国同士で同じ商品を作れば競争力が上げられるというのと、消費者が商品を選んで購入できるということです。
車でも他でもそうですが、世界で1社しか車を生産していなかったらその会社は商品を独占できてしまうわけです。
1つの会社だけが潤うと、力関係が強くなりすぎてその会社の言いなりにしかなれなくなったり、独占すると権力が大きすぎてわがままになってしまうのが問題なんですね。
なので、いろんな国の企業が同じ種類の商品を作ることで、お互いに競争力が増して、さらにいい商品を作ろうとなりどんどん商品が洗練されていくんですね。
またそのほうが消費者にも選ぶ権利が増えて、1つ2つだったものが10個くらいになれば、買い物をして楽しい、またいい商品を買おうとするのが一般的なので、自分の商品を買う人が多ければ多いほど、企業にもいいフィードバックが得られるわけです。
またその逆もしかり、買わない人がいれば改善するというメリットもあるんですね。
以上、これが貿易摩擦です。
過去にも貿易摩擦が原因でいろんな問題が起こっています。
今では米中貿易摩擦が記憶に新しいことでしょう。
いろんな問題が世界では取り巻いているんですね。やはり一方が得をして片方が損をする世の中はうまくいかないということです。お互いのことを考えつつ、より良い商品作りを作っていく事が平和的競争としていい事だと私は思います。
では、今回は日本や諸外国の貿易収支についてのお話しでした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。
インコタームズEXWについて
みなさん、こんにちはふみです!
さて今回はインコタームズについてお話ししていきます。インコタームズは貿易をする上ではトラブルを回避する為に欠かせない規則ですね。
海外との取引ですから、どちらが輸送のための船や飛行機の運賃を負担するのか、また事故が発生したらどちらの責任なのかを貿易をする上では線引きする必要があるんですね。
さて主なインコタームズは全部で11個あります。
その中のEXW条件について今日はお話ししていきます。
インコタームズの条件は貿易のエキスパートの方達がブログなどで発信している中で、この記事ではインコタームズの基本と荷主が考える各条件の特徴をお話ししていきます。
では今回お話しする内容はこちらです。
1、EXWとは?
どんな費用がかかるの?
どんな危険があるの?
2、荷主目線のEXWの特徴
では早速みていきましょう!
さておさらいもかねてEXWとはどのような条件かといいますと、
工場出し条件のことです。
この条件は、貨物が輸出者の元から離れた時点で、その先にかかる運賃や港の諸費用、保険料など、また事故などによる貨物に損傷が出てしまった場合の責任が全て輸入者に移動する条件です。
貨物が離れた時点でコストも責任も丸投げできるので、輸出者にとってはとても有利な条件ですよね。
ではまず費用面をピックアップしてみましょう。
1、どんな費用がかかるの?
最初に申し上げたように、この条件は輸出者さんの手から貨物が離れた時点で全ての費用と危険の責任が輸入者が移動するものです。
輸入者にとっては、貨物が工場から出荷した時点で全ての責任を受け持つわけですから、輸入をするに当たっての手続きを全て自分たちで行う必要があります。
その手続きというのは何かをざっくり分けますと、工場出荷後のトラックの手配、輸出者側の港でかかる諸費用、船の運賃、自分の国内でかかる港費用、関税などの税金、そして配送トラックの手配を全て手配し、全てのコストを負担しなければいけません。
結構大変な作業ですね。コストもそうですが、トラックの手配など各会社に手続きをしないといけないのはとても面倒な作業です。
ですが、実際は荷主がspotでそれぞれを手配すると言う例はあまりなく、フォワーダーさんという物流の手助けをしてくれる業者さんに頼み、輸入手続きを仲介して貰う事が多いんですね。
フォワーダーさんは国内外のトラックの手配、船の手配から通関まで一貫して手続きをしてくれるので、いつも弊社ではフォワーダさんへお願いをしています。また輸入に慣れていない会社さんは最初はまずフォワーダーさんにお願いしてみましょう。
2、どんな危険があるの?
次に危険面についてお話しいたします。
危険も費用と一緒のタイミングで、輸出者の手から貨物が離れた時点でそれから先の事故は全て輸入者の責任になります。
ここでいう危険というの本船の海難事故のような大きなものだけではありません。
トラック輸送中の事故を始め、港にあるクレーンの操作ミス、手作業による荷物の落下など細かいものを含めるとたくさんあるんですね。
実務では海難事故やクレーンの事故はあまりなく、どちらかというと細かい方のエラーに悩まされる事が多いです。
そのような小さい事故は保険が適用されない事が多く、輸入者が泣き寝入りするパターンが多いことが現状です。あまりにも到着したカートンがボロボロで中の商品がたくさん傷ついていた場合は、輸出者に連絡をとり、輸出者が理解のある人であれば補填してくる場合も多いですが当然断られるケースが多いので、最初から商品は丁寧に扱って欲しいというのを伝えるのと、梱包に力を入れて、カートン自体を強く補強しておくのが大事なんですね。
場所にもよりますが、遠い国からの輸入だと何週間~何ヶ月もかかる事が多いのでその時々で、自分たちの商品を守るため臨機応変に対応しましょう。
3、荷主目船で考えるEXWの特徴
続いてEXWの特徴についてお話しします。
EXWは実は輸入者にメリットになることもあります。
それはEXWで仕入れる商品を見積もりをする際、その商品の単価が安くなるという事です。
海外と取引をする際、例えばある工場から部品用のネジを1万本買うとしましょう。見積もりをする場合は必ずインコタームズの条件を提示して見積もりを行います。
なぜかと言うと、基本商品の単価は輸送代も含めたコスト計算になっているからです。
見積もりや商品の原価についてあんまり知らない方は、ピンとこないかもしれませんが基本的には見積もりで単価を出すときは輸送代も含んだコストになっている場合が多いと覚えておきましょう。ですが、そのようなコストを含めていない会社さんもあるので、企業によって見積もりの出し方は違うという事も注意しましょう。
こちらから見積もりをお願いする際、この取引はFOB条件で見積もりをお願いします。と言う場合とEXW条件の見積もりをお願いします。と言う場合とでは、工場から出される見積もりの単価は違います。
この例だと、EXW条件の単価はFOB条件より若干安い単価で出されるでしょう。
これは単純にFOB条件の場合は、輸出者側の船に載せるまでのコスト分、トラック配送料や通関費用などが単価に反映されているからなんですね。EXWは工場出しなので、輸送費やその他のコストは全く含まれません。
これにより、EXW条件の単価は比較的他の条件に比べ安価なので輸入者にとって少しメリットがあると言うことになります。
そのため、EXW条件の場合はエア輸入に向いている条件でもあります。
少ないロットもしくは大量ロットでもネジのような商品自体がとても小さく、貨物の個数が少ない場合は航空輸送で輸入すると意外にもFOB条件の単価で船経由で輸入する場合よりもコストが抑えられたりする事ができ、さらに飛行機で輸送するため、船と比べて早く納品する事も可能なんですね。
貨物自体の個数が少ない場合は、必ずエアでの輸送を視野に入れてみましょう。
また小ロットの場合は最初からエア輸入で輸送するという事を考えて、EXW条件で見積もりをとる事も頭に入れておいた方がいいかもしれません。
商品によってどの手段を使ってより安価で安全に輸入するかを考える場合は、インコタームズ条件をよく理解する事もとても大切なんですね。
さらにこの条件のいいところは、工場側が輸出作業に頭を取られることはなく、商品を作ると言うことに専念でき、その後の出荷については輸入者の指示を仰ぐだけになり工場はその分、自分の商品生産に対して集中できるメリットもあります。
そうする事により、不良率を少なくしたりより良い商品製作に力をいれるという事も可能なんですね。誰でも不良率は少なくいい商品を作りたいですよね。
以上を踏まえて、輸入者にとってメリットが少ないですが、このように良い点もあるのがこのEXW条件の特徴ということも覚えておきましょう。
以上、今回はインコタームズのEXWについてお話ししていきました。
貿易実務検定でも実務でもとても重要なものなのでしっかりと内容を把握しておきましょう!
では今回はインコタームズEXWについての記事でした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。
現役貿易事務が使う英文メールは?実際のやりとりメールを公開!
みなさんこんにちは、ふみです!
さて今回は貿易実務の英文メールについてお話ししようと思います。
貿易実務検定などに登場する単語や英文レターなどをよくみる方は多いかと思います。
かなり難しい表現などが使われていますが、実際はどのようなメール内容がやり取りされているか気になるかたもいると思いますので、今日は実務での英文メールをご紹介しようと思います!
では今回お話しする内容はこちらです!
- 見積もり時のメールのやり取り
- 輸出者とフォワーダーのメールのやり取り
- 出荷のときのメールやり取り
- おまけ
では早速メールを紹介する前に一つだけお伝えしたい事があります。
私は主にアジア圏の方と連絡を取り合っています。なので基本的にはネイティブの方と会話やメールのやり取りをする事がなく、中国や東南アジアの方と連絡しているためこれから紹介するメールに違和感がある方もいるかもしれません。
(※私、ふみのメールは結構適当です笑)
ですが、共通語は英語なので毎日英語で会話やメール、チャットをしております。
少し不自然な部分もあるかとは思いますがそこだけご了承いただければと思います。
では早速見てみましょう。
見積もり時のメールのやり取り
見積もりをとるという作業はほぼ毎日行う仕事の一つです。
私の会社では、雑貨品や日用品などまた何かのイベントのグッズなども製作しています。日本のお客さんからの要望を営業経由で聞き、その商品の見積もりを弊社は主に中国で生産していますので、海外工場にその情報を伝えて見積もりをお願いするんですね。
では私が送った工場へのメールをご紹介します。
(こちらは返信メール)
これは私が工場に送った見積もり依頼のメールです。
ある商品を見積もるためにその商品を作る事が得意な工場にお見積もりを依頼したんですね。ここでは亜鉛合金製のキーホルダーを依頼しました。
※ 参考画像
亜鉛合金製 = 重たいキーホルダー笑
ここでメールの内容のこの部分をみてみましょう。
見積もりは商品名、数量、梱包方法やデザインなどの情報を相手に伝えて
見積もりしてもらうんですね。
このメール内容はそれぞれ箇条書きで分けてありますが、
細かいようで細かくはありません。
この会社とは元々、EXW条件で何回も似たような商品を取引をしている会社なので見積もりをとるときもお互い共有済みの部分は省略し、簡易的になる傾向があります。
ですが、最初に見積もりをとるときや慣れていない時は省略せずに、インコタームズや全ての商品の詳細な情報を載せる必要がありますので覚えておきましょう。
これをみてもらうとわかるように、 簡単な英語、且つ相手にわかりやすいように箇条書きで書く事が多いです。また難しい英語を使うということもほとんどありません。
貿易実務検定ではこのような文章の問題がありますよね。
we areprepared to accept your order this time at the price quoted six months ago, but cannot gurantee that it will remain in effect for futher order
6ヶ月前に見積もった価格で貴社の今回の注文を受ける用意はありますが、今後のオーダーに関してはその価格ができるかは保証できません。
このようにかしこまったメールをたまに送ってくる方もいますが、基本的にはもっと砕けた英語を使う事が多いんですね。
2、輸出者とフォワーダーのメールのやり取り
次に輸出者とフォワーダーさんのメールのやり取りをみていきましょう。
私は日本のフォワーダーさんとやり取りをしているので、日本語のメールしかありませんが、ここでは輸出者さんとフォワーダーさんのやり取りのメールを一部ご紹介します。
これがフォワーダーさんのメールです。
これが輸出者のメールです。
これは、輸出者さんがフォワーダーさんにB/Lをtelex relesedするために送ったメールです。
内容はテレックスリリースの書類を送ったので確認してください。
よろしくお願いします。
というとてもシンプルな内容です。
B/Lをテレックスリリースするというのは、B/Lの原本ではなく、B/Lのコピーを提示するだけで貨物が受け取れるように、輸出者からフォワーダーさんへ手続きをすることです。サレンダーとも言われるものですね。
本来はB/Lの原本がないと貨物を受け取ることはできないのですが、今は簡易的手続きにできるようにこのような手続きが可能になっているんですね。
これは、これに限らず船のブッキングやそのほかの書類の手続きも実際はこのような短文なやり取りがパッパっと続く事が多いんですね。
さらに今はメールではなくチャットアプリで、船のブッキングなどもできてしまう時代です。この船を予約したいです。書類添付します。のような簡易的な会話で成立してしまうのですね。
ちなみに貿易実務検定ではこのような文章が問題で出てきますよね。
we are pleased to inform you that the delivery has been completed today as per your shipping instructions. The cargo is scheduled to land kobe aroubd August 10th.
引き渡し船積み指示通り完了したので連絡します。
貨物は神戸港に8/10頃の到着予定です。
かなり堅苦しいですね。しかし文法的にもしっかりしており間違いがないので誤解も生まれにくいのが、正しい英語を書くところのいいところです。
3、出荷の際のメールのやり取り
さて最後に、出荷の際のメールのやり取りについてお話しいたします。
これがふみが送ったメールです。
これが工場側からのメールです。
商品を出荷してもらう時も、いつ出荷できるのかやどの船に載せるのかをメールもしくはチャットアプリで連絡します。
ここでもかなり短文です。
一番重要なのは、長々と文章を書かない事です。相手が読みにくい内容だったりわかりにくい表現を使うのはできるだけ避ける事が実務では必要です。
これはテストではありませんので、だらだらとするのではなく端的にできるだけ短文にまとめ、テキパキとやり取りをする事が大切です。
このメールの内容はそろそろ貨物を出荷してくれますか?
という内容に対して、
工場側からはこの船でブッキングしますね。
と船の情報が書かれた内容になっています。
長い文章にはほとんどならず、このようなすっきりとしたやり取りになる事が多いんですね。
おまけ
最後におまけです。
これは、香港のデモが日本のニュースでも流れた時に心配して香港の取引先に送ったメールの返信です。
ネットのニュースなどでも頻繁に流れていたため、連絡を入れると、「私たちは大丈夫です。ありがとうございます。」という連絡が返ってきたのでとても安心したメールです。
このようにコミュニケーションを円滑するためにも定期的に連絡を入れたり、とても心配になる事があれば直接安否を確認したりすることも多いです。
貿易実務以外のことでも連絡を入れることもあるんですね。
ビジネス以外でのメールも弊社ではよく取り入れていて、誕生日おめでとうメールや日本ではこんなアニメとゲームが流行っているよなど、日常的な会話もする事が多く、それも仲良くなるためにはとても必要な事なんですね。
以上、今回は貿易実務上でのメール内容をご紹介致しました。
ここではテストに出てくるような、難しい単語や文法は使わずむしろ文法も崩れたブロークンな英語のやり取りが多いです。
私も英語能力はそんなに高くありませんが、特に恥ずかしいこともなくお見せしてしまします。
一番重要なのは相手にわかるように伝えることです。
それと日常的な会話もコミュニケーションを円滑にするため時には必要です。必ずしなくてはいけないものではないので、自然と行えるようにできたらいいですね。
では今回は実際の貿易実務の英文メールについての記事でした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではでは、この辺で。
出典元 :
亜鉛合金のキーホルダーの画像や英文レターは下記のサイト様からお借りしました!
ありがとうございます!
「砥石」と「研削・研磨」の総合サイト様
https://www.toishi.info/email/po_sample.html
8Seasons 様 亜鉛合金 写真入りキーホルダー&キーリング ミックスアソート ハート
送金の種類 T/T M/T D/Dとは?為替先物取引 通貨オプションをわかりやすく解説!
みなさん、こんにちは!ふみです。
さて今回は海外にお金を支払うときの送金方法についてお話ししていきます。
海外にお金を支払うときはいつも緊張しますよね。金額が間違っていないかやレートで損していないか、また支払い方法よっては手数料が高いものまでありますよね。
前回はL/Cについての支払い方法を少しだけ説明しましたが、お金を海外に送る方法hあまだまだあるんですね。
今日はそんな送金でのお支払いについてお伝えしていきます。
さて今回お話しする内容はこちらです。
送金の種類
1、T/T
2、普通送金
3、小切手
為替リスク変動の回避方法を簡単に!
1、為替先物取引とは?
2、通貨オプションとは?
今回は送金の種類とその送金するに当たって
企業はどのように為替の変動リスクを回避するのかをお伝えしていけたらと思います。
お金を海外に送るときは、円高と円安が大きく関わってきますよね。
どちらかに傾くことによって損したり得したりと、海外と仕事をするときはいつもナーバスになってしまいます。
どのように企業はお金を送っているのでしょうか。
早速見ていきましょう。
1、電信送金 T/T(Telegraphic transfer)
これはとても一般的な送金方法です。簡単に言えば、自分の銀行から相手の銀行にお金を振り込んだり、お金を受け取ったりする方法です。
会社ですとパソコンからインターネット経由でお金を振り込むことが多いです。
弊社でもほとんどこのT/Tで取引先の会社の銀行へお金を送っています。この方法はとても簡単なのですが、もちろんデメリットもありますので注意が必要です。
まずT/Tのメリットは簡単に相手にお金を送れることです。
L/Cや他の方法は手続きに時間がかかり、場合によっては手数料も何万も取られるという事もありますが、T/Tは比較的に安い手数料で簡単にお金を送金できます。
さらにT/Tは基本的に相手の銀行に2,3日くらいで入金されますし、緊急の場合は少し手数料が高いですが翌日振り込みも可能なんですね。
T/Tのデメリットは、主に信用できる会社とでしかやり取りができません。
輸入の場合、L/C決済であれば確実に荷物が輸送されるという確約を作ってからお金を送るので安心して決済できますが、T/Tは銀行が仲介してくれるものではなく、輸入者と輸出者の当事者のみで決済が行われるため、荷物を絶対に送ってくれるという確約を作ることができません。
送金したものの、荷物が届かないということもあるんですね。
このような事例も発生しており、詐欺も多いのがこのT/Tの特徴です。
最近ではしっかり取引相手の会社情報を集めればそんなことは滅多にありませんが、このようなこの事も起こる場合があるので注意しましょう。
T/Tは基本的にコルレス契約をしている大手の銀行経由で行われます。
インターネットもしくはFAXでを申請し、振込に依頼をします。こちらの口座情報と相手先の口座情報など入力すれば簡単に申請が可能なんですね。ちなみに手数料は、3000~5000円くらいで銀行によって違いますので覚えておきましょう。
2、普通送金(郵便付替) M/T (Mail Transfer)
次に普通送金についてお話しいたします。これはT/Tと似ていますが、郵便という方法でお金の受け渡しを行う方法です。国際送金を扱っている郵便局で普通送金をしたいと申し出ると、送りたいお金の金額+手数料 (大体3000円)で普通為替証書というものを貰うことができます。
このような証書に相手先の情報を書き、その受取人に直接郵送します。
これを受け取った受取人が国内の郵便局で換金できるという仕組みになっているんですね。
この普通送金(郵便付替)は小切手送金と少し似ています。国内での取引では小切手でのやり取りを表すことが多いですが、外国為替ではこの証書のやり取りで行う送金方法を普通送金と言うんですね。
この郵便付替と言う言葉が日本語だと逆にわかりにくいかと思います。
この郵便付替は英語でMail Transferと言います。Mailは証書のことでtransferは転送と言う意味ですね。なので、この普通送金はこの証書を転送するやり取りのことですよと覚えておきましょう。
ちなみにこの方法は昔は手数料が安いと言うことで、利用している方もいましたが、受取人の方が郵便局に行くのが手間だったり、今ではT/Tの方が手数料が安かったり、銀行自体この証書を扱っていない事も多いので、実務ではほとんど使うことがありません。
3、小切手 (D/D) Demand Draft
最後に小切手です。小切手は最初から申し上げると、ほとんど実務では使うことはありません。簡単に流れを説明すると、国内の取引の際に銀行に小切手の発行を依頼すると、その銀行から、小切手がもらえます。その小切手を受取人に送って、その小切手を受取人から指定の銀行に見せるとお金を受け取れる仕組みです。
先ほどの普通送金と似ていますね。
お金を受け取る申請は小切手を当人同士でやり取りしているんです。ですが最近ではこの方法はあんまり使われることが少ないんですね。
私の会社ではアメリカと一度取引をした時に使用されたことがありましたが、手数料が高いというのとお金を受け取るまで、直接銀行にいかなければいけなかったので、手続きが面倒でした。
アメリカは小切手文化があるのでこの方法を使用したのだとは思いますが、契約はT/Tだったので実際困惑した経験があります。
このように送金の種類は主に三種類に分けられますが、ほとんどT/Tと言うネット経由の送金方法を使うことが多いんですね。これからもどんどんインターネットの時代になっていくと思います。
さて次に、お金を支払う時に気になる為替レートの変動ですが、海外とやり取りをしていると支払い時にとても敏感になりますよね。
ドルで支払う時にちょうど$1=100円の時があれば、1$=95円、もしくは110円の時もありますよね。支払い時に円高であれば得ですが、円安だったら少し損をしてしまうのが国際送金の厄介なところです。
そんな不安定なレートのリスクを回避するための方法が二種類ありますので
こちらもわかりやすく説明いたしますね。
1、為替先物取引
まず1つ目が為替先物取引です。
これは簡単に言うと、これからのレートの上がり下がりが不安定だから先に通貨を買っておこうと言う考えです。
レートが上がるか下がるかは予想ができたとしてもこの先どうなるかは誰にもわかりませんよね。なので、ある程度、特定の外貨を使う予定があるから、定期的にその通貨を買うと言う約束の変わりに、比較的安定したレートで通貨を買うことができる方法です。
基本的にこれは銀行と契約をして買うことができます。
例えば、外国からものを仕入れをしている場合はもちろん支払う時は円高がいいですよね。100万円の品物を1$=90円で仕入れられたら単純に10万円も得をするからです。
今は若干の円高気味の円安ですが、これから1$=130円になる可能性も十分にあります。そんな不安定なレートに振り回されるのは嫌なので、定期的に外貨を購入すると言う約束の変わりに、銀行から110円台のレートで外貨を買うことができるんです。
これであればいきなりレートが1$=130円になっても110円のレートで通貨を買うことでき、海外に支払いができるんですね。
もちろんこの先いきなり円高になる可能性もありますが、これは誰にも予想ができないものです。あくまでも安定したレートを使用することができる方法でこれが為替先物取引と言う貿易業には欠かせないリスクヘッジのやり方の1つなんですね。
そのほか、この取引には注意点があります。例えばアメリカドル50000ドル日本でいうと約525万円(105遠計算)を購入する予定を立てたとしましょう。
これを先物取引で買う契約をした場合、途中で買う事を止めると言うことができません。一度買ったら絶対に買った分を消化しないといけないのがこの取引のデメリットです。なのでいきなり会社の資金がないから買えなくなった。。
と言うことができないんですね。
会社自体に安定した収入があったり、ある程度余裕のある資金を持っている会社さんならいいですが、資金繰りに苦労されている会社さんにはお勧めしません。
この商品を購入したのが原因で倒産に追い込まれているところも跡を立ちませんので、もしこの取引を行う時は慎重に行いましょう。
2、通貨オプション
さて次に通貨オプションです。
最近はこの方法で為替の変動リスクを回避している会社さんも多くなっています。
この通貨オプションというのは、購入する外貨と手数料(オプション料)を払うことで自分たちの都合のいいように、通貨を売ったり買ったりすることができる方法です。
こちらも特定の銀行さんで契約することが可能です。
例えば、1ヶ月後に何らかの理由でアメリカドルを確保したいとします。
アメリカドルを先に現在のレート120円+手数料(2円くらい)で買うとしましょう。
1ヵ月後の為替レートが130円になりました。その場合、1ヶ月前にレート120円でアメリカドルを買っているので、ここで買う宣言をすれば、アメリカドルを130円で買う必要がなく120円でアメリカドルを買うことができます。
これにより、円安によって損をしなくて済むことになるんですね。
またもし1ヶ月後に110円になってしまっても手数料は戻ってきませんが、買わないという選択をとることもできます。自分が買った時より市場の方が安くなっていればこの通貨オプションを使用せず、市場の為替レートでドルを買えばOKということになるんですね。
これが通貨オプションというリスクヘッジの方法です。先ほどの先物取引は一度買う。と決めたら取り消しが聞きませんが、この取引は買う権利もあればそれを放棄する権利もあるとても便利な方法なんですね。
デメリットといえば手数料が取られるというところです。放棄したら手数料は戻ってこないので、買った額の金額が大きければ大きいほど、損をすることになってしまいますので、何度も何度も通過オプションを利用した挙句放棄するととてももったいないですね。
ちなみに弊社では、この通貨オプションはほとんど利用しません。
貿易業をしている場合はある程度のレートの変動は仕方がありませんので、少しのリスクも貿易の仕事をする上では受け入れることが大事だからです。その分、たくさんいいアイディアや取り組みをして楽しく利益を出す事を考えましょう。
以上、送金方法の種類と、為替変動のリスクの回避方法についてご説明いたしました。
お金のやりとりはとても緊張しますよね。しっかりと事前に勉強しながら実践していきましょう。
では今回は送金方法の種類と為替変動の回避方法についてでした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。
画像は下記のサイトさまから拝借しました。 ありがとうございます! Many thanks!
三井住友信託銀行 様
外国送金依頼書
softbank 様 普通為替証書の換金方法
普通為替証書の換金方法|ソフトバンク光キャッシュバックキャンペーン
Checks.com 様
貿易事務のイレギュラー対応について!船が遅れた!生産が遅れたらどう対処する!?
皆さんこんにちは、ふみです!
今回の動画は貿易実務をしている上でイレギュラーが発生した場合、どう対処していくのかということについてお話ししていきます。
貿易事務は海外と仕事しているので、取引先の国事情や文化に振り回されたりすることがしょっちゅうあるんですね。
なので今回はメーカー貿易事務のよくあるイレギュラーに対しての傾向と対策についてお伝えしていきます。良くあるイレギュラーはもはやイレギュラーではないのかもしれませんが、私が行う対処法を皆さんへお教えしたいと思います。
では今回お話しする内容はこちらです!
1. 納期遅れに対する対処法
船が遅れたら
生産が遅れたら
2. 生産・不良品に対する対処法
量産品が指示通りでない場合
届いた商品が不良品だった場合
基本的に、貿易事務員の最大の敵は「納期遅れと不良品」です。
この2つはいろいろな要因が何度も重なって起こる事が多く、しかも海外ではいつも毎回びっくりするような事が起きるので、毎日新しい発見があるんですね。
その時その時で対応しなければいけないのが貿易事務員の仕事ですので、今日はこの2つについて詳しくお話ししていきたいと思います。
では早速みていきましょう。
1、船が遅れたら
本船遅延は、とても良くある事ですね。船は大体遅れると思っていいでしょう。
船が遅れる場合は、大抵の場合は天候のせいが多いですがそのほかだと、港の混雑状況、船の事故や故障、累積遅延などがあります。
船が遅れると、天気を良くしたり、奇跡的に問題が解決して船が早く進まない限りどうしようもないのですが、この場合の対処方法は船が着いたときに何をするかを考える必要があります。
船が遅れた場合、まずフォワーダーさんに通関やトラックの手配を頼んでいる場合は、できるだけ早められるかを交渉してみましょう。
もしかしたら、予約されていた他社用のトラックがキャンセルされている場合があったり、通関手配も早まる可能性があります。
実際はなかなか、通関作業が早まったりトラックが空いていると言うことは少ないのですがダメもとで交渉してみる価値はありますのでお願いをする事は多いんですね。
基本的には余裕を持った納期をとる事が一番いいのですがお客さんのために商売をしていると、お客さんからの要望をどうしても飲まなければいけない時がありますよね。
本当はあまりなんでもできるという表現は避けたいですし、お客さんにもものづくりには時間がかかるという事を理解して欲しいのが一番ですが実際問題難しいですよね。
フォワーダーさんに頼んでみても無理そうでしたら諦めるしかありませんが、
その他の対処方法として荷主としてできる事は自社で通関作業及びトラック手配をする方法があります。
フォワーダーさんには途中までやって貰って大変申し訳ないですが、緊急の場合は船が到着したあとのことを自社で全てやる事も可能なんですね。
船が着いたらまず行うことは通関作業です。通関は必要書類があれば自ら指定の税関へ赴き、自分たちで自社製品を通関する事もできます。
こちらは特に通関士の資格もなく、誰でも行う事ができるんですね。
また通関が終わって倉庫から商品を持ってくる事も特定の運送会社さんをスポットで依頼し、ドライバーさんとトラックを手配する事もできます。
貨物の引き取り時にドライバーさんとトラックが空いていれば、貨物を取りに行ってくれる事もできるんですね。
フォワーダーさんに頼む場合は通関に少し時間がかかってしまったり、またトラックも時期や状況によってすぐに手配できない事もありますが、自社で通関する場合は当日の1,2時間で通関は終了し、また運送会社さんのトラックに空きがあれば当日の引き取り手配も可能になります。
ちなみに、トラックの料金はフォワーダーさん経由より1.5割増しくらいにはなりますので注意が必要です。こうすることにより、いつもより早めに貨物を受けとることは可能なんですね。
ですがこれは少しフォワーダーさんに失礼な行動になってしまいますので、あくまでも緊急時の場合です。どうしてもという以外は極力フォワーダーさん経由での手配はドアドアでお任せしましょう。
2、工場の納期が遅れたら
次に工場自体の納期が遅れる場合です。他国では日本ではありえない事がとても良く起こります。
例えば、田舎の工場で工員の人たちが稲刈りの時期だからしばらく生産が止まるとか、工員さんたちがデモに参加していて生産が進まないとか、国のお祭りで戻ってこないとか、何もないのに、なぜか工員さんたちがこないなど。
発展途上国ではこのような事が良く起こるんですね。
こういう場合は、早くしてくれと頼んでもなかなかやってくれないし、窓口の人もきっとどうする事もできないでしょう。しっかりとした契約を結んでいても平気で約束を破る事が起こるのが海外なんですね。
その場合の対処方法は、お金を支払わないと担当者に伝える事です。
これが一番良く効きます。
これでは契約と違う!と連絡する且つ、そのような商品は求めていないから契約自体なかったことにします、なのでキャンセルしてくださいと言うと意外とやってくれたりもします。
なぜなら、ここまでやって生産をキャンセルされたら向こうも大幅なロスになってしまいますね。
部材を用意して生産して人件費を払って結局キャンセルになったら工場は大変です。
実際そんなことはしないですが、契約と違うと言うことをはっきりといい、これでは支払いができないと誠意を持って伝えると、窓口の方は工場長と相談してみます。
と連絡をとってくれる事もあります。実際向こうが悪いのだから納期に間に合わせることは当たり前なのですが日本とは違うんだと頭に入れて、感情的にならず冷静に対処する事がとても重要なんですね。
また、生産が終わってもまだ納期に間に合うのが厳しいようでしたら、少し高いですが全量ではなく少しでも航空便で輸入する方法もあります。もし少しの商品でもいいのであれば30カートンのうち、5カートンだけを先にエアで送るなど臨機応変に対応してみるのも一つの手ですね。
そして、さらに他の会社で商品を生産して出荷時期が近ければ、その会社に荷物を送って一緒にコンテナの中に入れて輸出すると言う手があります。
船積書類も少し書き加えなければいけませんが、少量の貨物、またその会社がその貨物の輸出に対して問題がなければ工場も快く出荷してくれる事も多いです。
これは出荷時期が被らなければうまくできませんがいろんな方向にアンテナを伸ばしておけば気付ける事も多いので目を凝らして仕事をしてみるのがおすすめです。
またさらに日本に貨物が到着した時、もし運転できるのであれば、自社へ到着後お客さんへそのまま自分の足で納品する事もできますのでいろんな可能性を考えてみるのが大事です。
納期遅れが貿易事務をしている上で一番避けたい事ですよね。
上記の事はできるだけ、免れたい事例ですので余裕のある納期管理を心がけましょう。
次に生産時に良く起こるイレギュラーについてお話しいたします。
1、量産品が指示通りに作られていない
量産品がお互い納得したサンプル通りに作られていない事が、生産途中で発覚する事があります。それは生産ラインを確認するときに、写真を送ってもらったりするときに気づく事が多いです。
写真を送ってもらうと、量産品が最終サンプルと違うと言う事が良くあります。
そういった場合、生産途中でいきなりやり直し!となるのも工場の人たちは納得する事があまりなく、なんだかんだで言い訳をしてその生産押し通そうとしてきます。
こう言う場合は、一番仲のいいビジネスパートナーに協力してもらいましょう。
私の取引先は中国がメインで、中国には仲のいいビジネスパートナーが数人います。
多少の人件費はかかりますが、その人をその工場へ派遣することによって交渉する力がグンと上がります。同じ国の人同士はお互いに話し合いやすいですし、性格もわかっていますので、できるだけいい方向に進ませる事が可能なんですね。
なので、できるだけ協力工場の方とは仲良くしておくのがベストです!WechatやQQ、など今はSNSで気軽に連絡を取れますので、できるだけ連絡をまめにしておきましょう。人によっては電話してあげるとか、いつもお世話になっているからやってあげるよ!と快く引き受けてくれる事も多いんですね。
2、届いた商品が不良品だった
届いた商品に不良が出てしまった場合は、どんな契約を最初にかわしているかにもよりますが、不良が大量に出た場合は相手側に作り直しの要求をする事も可能です。
どうしても作り直しを渋ってくる相手もいますが、不良の画像をメールで送ったり、実際に着払いで不良品を向こうに送ると、ある程度は作り直してくれる事があります。
仕方ないと言う気持ちを押し殺して、これはビジネス上の取引なんだと毅然な態度で相手にものおうじせず、コミュニケーションをとりましょう。
また弊社では基本的に2%以上の不良が出た場合は、作り直しをするのが基本となっているので、生産前にお互いに不良が出たらどうするかを確認しておく必要があります。
一番いいのは、不良が出ることを見越して多めにオーダーをしておくことです。利益など会社と確認する必要がありますので、慎重にいくつ発注するかを確認しておきましょう。
以上、今回は納期遅れや不良品に対する対処方法をご説明いたしました。
一番重要なのは、イレギュラーが発生する事も考えて先回りをして手を打っておく事です。 何が起こるのかがわからないのが海外なので毎日経験を積みながら、臨機応変に対応できる力を身につけておきましょう!
では今回はイレギュラー対応についてでした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。
輸入貿易の流れ その1 モノ・カミ・カネの流れとは?
みなさん、こんにちはふみです!
さて今回は、そもそも貿易って一体何なのか?ということで貿易の流れについてお話ししたいと思います。
貿易業務をやったことない方、経験したことない方にとっては、貿易自体を把握しづらいかと思います。なので今回は貿易取引の全体像をざっくり見ていきましょう。
では今回お話しする内容はこちらです!
- 貿易取引の仕組み モノ、カミ、カネとは?
- 輸入貿易取引の流れ
まず基本的に貿易というのは外国の相手とモノ(商品)やサービスの売り買いの取引をすることです。外国に商品を売ることを輸出、外国から買うことを輸入といいます。
歴史を遡ると日本は戦国時代からもポルトガルと貿易をしていんたんですね。昔のことを考えると、船も丈夫ではないし、飛行機もない時代、さらに今のように安全ではない状態で貿易取引をしていたと考えるととてもすごいですよね。
今では日本は世界中の国と取引を行っています。
皆さんは貿易と聞いてどのようなやり取りが行われていると思いますか?国と国との取引といえど、取引をしているのは私たちメーカーや商社などの民間企業、また個人の方などが行い、外国との経済を支えているんですね。
そんな今では欠かせない外国との商売についてまた今回は、輸入貿易の流れをお話ししていこうと思います。
ではまずは貿易には欠かせない3つのワードについてお話しいたします。
「モノ」「カミ」「カネ」
この3つのワードが、貿易取引を説明する時に、一番便利な言葉なんですね。
貿易取引をする時はこの3つの事が外国間を行き来する事で成り立っているんです。
簡単にここでまとめると、「モノ」を買う前に、書類「カミ」を外国間でやり取りし、最後に「カネ」お金を支払って、「モノ」が届くという流れになっております。
では一つずつ説明していきます。
モノについて
まずこのモノというのは商品でもサービスでも、取引をする全てのことを「モノ」と呼んでいます。貿易はこの「モノ」を外国間でやり取りしていくので、これがないと何も始まらないわけなんですね。
日本は海に囲まれた島国なので、コンテナ船という大きな船でモノを運んだり、飛行機を使ってものが運ばれています。
大陸国間同士だと、船ではなく鉄道を使った方法もあります。
現代社会、24時間今でもこの「もの」は世界中を飛び交って外国との経済を繋いでいるんですね。
カミについて
次にカミです。カミというのは貿易取引に必要なインボイスやパッキングリスト、B/L、L/Cなどの書類のことを指します。貿易は扱う書類がとても膨大で、何をするにも書類が必要です。
契約を交わすのにも、お金を支払う時も、またモノを受け取る時も全てこのカミ、書類が必要なんですね。
海外は文化や言語が違うため、外国間の取引は日本での買い物とわけがちがいます。慎重に取引を成立させるために、1つ1つのやり取りも細かく手続きする必要があるんですね。
またそれぞれの書類には雛形が決められておらず、いろんな見た目の書類が世界中で使われています。弊社でも30~40社以上の会社と取引をしていますが、これ1つと言って同じフォーマットの書類を見た事がありません。
フォーマットは各会社、おのおの独自で作られている場合が多いんですね。
ただ最近ではそれを捌くのが大変だということで今ではある程度の書類を統一し、電子化する動きも出ているくらいです。
カネについて
最後にカネです。カネはそのままの意味でお金のことを指します。商品やサービスを売買するのですから、お金のやり取りは当然必要ですね。
貿易の場合はスーパーでお買い物をするという簡単なモノではないため、海を超え、会ったことの無い人間が働く会社へお金を送金したり、その会社からお金を受け取る時は簡易的なやり取りではなく、書類や銀行を使用した緊張感のあるやり取りになるんですね。
次に、貿易取引の流れをご説明いたします。
さてこの3つのことはどのような流れで取引されているのでしょうか。
貿易の全体像を把握するにはこの3つがどのように動いているのか知るのが一番重要です。これからその具体的なやり取りを紹介したいと思います。
まずよく貿易実務の本に書かれている図を見た事があるでしょうか?
これはわかりやすいようでわかりにくかったりもしますよね。
なので、今回は私なりに流れを3つの項目に分けましたので、こちらをご覧ください。
- 売買契約
- 荷物の出荷後
- 荷物の受け取り前
1つの貿易取引を分けるとこの3つの区間に分ける事ができるんですね。
貿易取引は長いスパンを掛けて行う事が多く、外国からモノを輸出して受け取るまでのやり取りを終結させるまでかなりの時間を要します。
また今回は、船積み書類を工場から受け取るまでのところまでです!
そのあとはその2で解説いたします!
ではある取引を例にして実際のやり取りを見ていきましょう。
簡単に登場人物をここで紹介します。
1、ふみ
2、パンダinc
3、通知銀行
4、中国銀行
5、東京銀行
この5つの会社で説明させていただきます。
早速見ていきましょう。
1.売買契約
ではまず、契約を成立させるところからスタートしましょう。
例として株式会社ふみは中国のパンダincと契約をします。全ての取引条項、サンプル、価格、その他確認事項をお互いに全て承諾した上で、パンダのぬいぐるみ10万個のオーダーを成立させました。
契約を成立させるには契約書にサインをすることで完了いたします。
この書類が先ほど出てきた「カミ」の1つです。ここで最初の「カミ」が出てくるんですね。これにサインをすると契約が成立ということになります。
さて、パンダincは株式会社ふみと初めての契約なので、初回の取引は少し不安です。お金の支払いはとてもセンシティブですよね。
初めての取引で信用がない株式会社ふみは、お金をちゃんと払うことを保証するL/Cと呼ばれる「代金の支払いを保証してくれるカミ」を取引先の東京銀行に発行依頼します。
この信用状というカミは「ちゃんと荷物を出荷した後、絶対にお金を払いますよ」という信用を作るためのカミです。専門用語ではL/C(レターオブクレジット)と呼ばれているもので、
外国間で安心して支払いを済ませるための書類です。これが2つ目に登場するカミなんですね。
契約後に行われる信用状の手配はこのような流れで行われます。
株式会社ふみ→東京銀行→中国銀行→パンダinc
まず、株式会社ふみは取引銀行である東京銀行に信用状を発行してもらい、東京銀行から中国の通知銀行にL/Cの発行を通知します。
補足ですが、この通知銀行というのはL/Cを通知するための銀行なので、三菱銀行やみずほ銀行など名前があっても、ここでは単に通知銀行と呼んでいるだけです。
通知銀行が必要な主な理由は、詐欺を回避するためです。通知銀行は必ず信用のある大きな銀行で、コルレス契約という国際間でお金の送ったり受け取ったりする際に必要不可欠な契約がしてある銀行でないといけません。
実はL/C決済は一部で詐欺が横行していたりもするのですが、このコルレス契約をしている銀行は発行されたL/Cが本物かどうかを見極めるための設備(暗号コード)が備わっていますので、安心して取引をする事ができるんですね。
その通知銀行からきたL/Cをパンダincの銀行(中国銀行(仮名))からパンダincへ信用状が発行されましたよという連絡を入れるんですね。
ここで銀行が3社出てきました。少しやり取りが複雑ですがこれで貿易取引の契約までが終了です。ここでは契約書と信用状の2つの「カミ」の流れしか出てきません。
2.荷物の出荷後
続いて少し早いですが、パンダぬいぐるみ10万個を全て生産をし終わったという体で、話を進めましょう。
ここでようやくモノが登場します。一番の主役ですね。
商品の船積み→船価証券B/Lの発行→手形・船積書類の買取を依頼 →買取代り金の支払い
商品の船積みをした後、パンダincにB/Lを発行してもらいます。B/Lというのは、この商品は私たちのモノですよという証明するためのカミでしたね。
さて次に、ここでパンダincは日本ではなく、取引先である中国銀行へ代金の請求書として為替手形と船積書類を渡します。実は先に国内銀行からお金を入手できるのがこのL/Cの特徴です。ちなみに為替手形が中国銀行がパンダincへお金を支払ったという証明になりますので、この手形がないと中国銀行は日本の銀行へお金の請求ができないことになっています。ここでは証明のため必ず手形が必要なんですね。
中国銀行は通知銀行経由で日本から信用状をもらってますので、その手形などの書類を確認したあとパンダincへの代金をすんなり立て替えてくれます。L/Cの契約を交わしており、中国の銀行は日本からお金をちゃんともらえる保証があるので、先に中国の銀行へお金を支払うことを快く行ってくれるんですね。
ここで、モノとカネも登場しました。あとは荷物を受け取るだけになります。
3. 荷物の受け取り前
手形・船積み書類を送付 →手形を株式会社ふみへ呈示 →代金を支払う→船積み書類の交付 →立替金の送金→B/Lの呈示→貨物の引き渡し
さて最後に荷物を受け取る前に何が起こるのでしょうか。
中国銀行は代金を立て替えたので、東京銀行にお金を払って欲しいと頼むために、先ほどの「手形」と船積書類を送ります。この手形が中国銀行はすでにパンダincへお金を建て替えましたよという証拠になるんですね。
それを受け取った東京銀行はその手形と船積書類を株式会社ふみへ流します。
そして株式会社ふみはその手形を確認して、パンダincさんのものと確認し船積書類と引き換えに、日本の銀行へ代金を支払うことになります。そのお金が東京銀行経由で中国銀行へ入金される仕組みになっています。
これでパンダincにとっては商品も無事に出荷し、代金も安心して回収する事ができたわけですね。
船積み書類が手に入ればあとは日本側の手続きのみになり、いつも通りにフォワーダーさんとやり取りを行い、商品を入手する流れになります。
これで、貿易の流れの説明はひとまず終わりです。
このように一気に全体を覚えるのではなく2つや3つに分けて、それぞれ「モノ」「カミ」「カネ」がどのような動きをしているのかを把握するのが理解への近道になるんですね。
最後にもう1度おさらいのために流れをまとめましたのでご覧ください。
1. 売買契約に行われるのは
「カミ」 = L/C (信用状)
2. 荷物の出荷後に行われるのは
「モノ」= 商品の船積み
「カミ」= B/Lと為替手形
「カネ」= 銀行からの立替金
3. 荷物の受け取り(直)前に行われるのは
「カミ」= 為替手形・船積み書類・B/L
「カネ」= 株式会社ふみから国内銀行への送金・国内銀行から中國銀行への送金
モノを外国から買い受け取るまでにはこのような手続きがお互いの会社、銀行間で行われており、顔も見えない海外相手と売買をするのは本当に大変なんですね。
しかし実務では信用のある会社とでは、複雑なL/C決済は行わずもっと簡単なT/Tという電信送金でやり取りを行うこともよくあります。T/T送金は簡単にいうと、ネットショップで買い物をするように、会社から直接、相手先の銀行にお金を振り込む方法です。
これは銀行間で行われる手続きを省略する事ができるので、長年ずっと一緒に仕事をしている信用のある会社とはこの方法で決済を行うことも多いんですね。
では今回は、貿易の流れについての動画でした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。